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8/17 2003  アイノミドリシジミ



−写真をクリックすると別ウィンドーに写真が拡大されます−

 この時期、毎年恒例になりましたが、8月2日、奥日光の光徳にシジミチョウの一種、アイノミドリシジミを見にいきました。

 ミドリシジミの仲間はゼフィルスと呼ばれ、日本は25種類のゼフィルスが生息する世界でも有数の産地です。このゼフィルスは森をすみかとする蝶で、いずれの幼虫もブナ科を中心にした樹木の葉を食べて育ちます。夏の限られた時期にのみ見られ、メタリックなグリーンやブルーなどに輝く翅を持つ種がたくさんいます。
 
 アイノミドリシジミはゼフィルスの中でも緑色の輝きが強い種類で、幼虫はミズナラを食べます。奥日光一帯の森の中では毎年7月下旬〜8月中旬にかけて、宝石のようなメタリックな輝きを見ることができます。成虫は天気の良い朝の7時から10時頃までのみ、森の日だまりでテリトリーを持ち、活発に活動します。
 右上の写真のように、森のひだまりにある木の枝先にメタリックグリーンをキラッとちらつかせながら、他の侵入者を監視しています。そして侵入者が近づくとそれを素晴らしい早さで追尾し追い払おうとします。その行動の数回に一回は二頭の雄がグルグル回りになり、数分間続く場面も見られます。このような行動が森の日だまりのあちらこちらで見られるのです。

 ここにアップするのが遅れてしまいましたが、昨年少ししか見られなかったアイノミドリシジミも、今年は例年の数見られました。写真でご紹介します。




 
 

枝先で監視

このような森の日だまりにあるちょっと突き出た枝がお好みのようで、自分の美しさを全開にはせず、自己顕示します。

 
 

卍巴

枝先で監視していた♂のテリトリーに別な♂が飛んできて、追いかけた結果、勝負がつかずに卍巴状態で争っています。この後、数分にわたってこの状態のまま森の中を彷徨い、あるとき突然勝負がついたのか、どちらかがまた同じ位置に戻ってきます。
下の写真はそれが三つ巴です。

 

森の下でも

午前8時半頃までは木の上にしか当たってなかった陽光は、徐々に森の下の方にも射し込んできます。
そうすると、これまで木の上の方にしかとまらなかったアイノミドリシジミも、下にも降りてきて笹の葉に止まることもあります。木の上と下と両方、あちらこちらでテリトリーを誇示する姿が見られます。

 
 
 
 

青から緑に

鱗粉の配列と光の向きの組み合わせによって、ご覧のように、青にも緑色にも輝きます。