8/2 1999 森の蝶、ゼフィルス


男体山
8月1日は男体山開山の日。1日午前0時に男体山への山門が開き、多くの参拝者が暗いうちから男体山山頂をめざして登山しました。

1日の朝、日光市内はどんよりと曇り空。奥日光の好天を期待し、奥日光へと向かいました。
イロハ坂の途中から市内の曇りがウソのように快晴になり、中禅寺湖畔からは開山した男体山(写真左)や日光白根山(写真右)がくっきりと見えます。男体山山頂からは素晴らしいご来光が拝めたことでしょう。 日光白根山
中禅寺の中心街は男体山をするための登山客の車であふれかえっていました。



ゼフィルス

今日は、奥日光の森に棲むゼフィルスというシジミチョウの一群のうち、アイノミドリシジミという小さな蝶を見に光徳にいきました。
※ゼフィルスについてはNews52で詳しくご紹介しています。

アイノミドリシジミは奥日光一帯に生息しています。幼虫はミズナラの葉を食べるため、ミズナラ林が多い奥日光では、時期と時間を間違わなければ広い範囲で見られます。
時期は例年7月下旬から8月上旬の晴れた日がベストです。 なぜ、時間が関係するかといえば、ゼフィルスの多くの種類は♂(雄)が活動する時間が決まっているからなのです。アイノミドリシジミの♂はなぜか晴れた日の早朝のみ活動します。太陽の光が森に射し込んでまもなくから午前9時30分ころまででしょうか。


光徳の森

ミズナラ林
光徳はミズナラの森が豊富です。ミズナラの森には他にもアズキナシ・カラマツ・ハリギリ・ハルニレなどの木々が立派なともに森を創り、とても豊かな表情を見せてくれます。
森の下には一面にミヤコザサが生え、それを食べる森林性のチョウが見られます。ヒメキマダラヒカゲもその一種です。ほかにもクロヒカゲ・ヒカゲチョウなどが薄暗い林内を飛び回っています。

アイノミドリシジミ

アイノミドリシジミが飛ぶ森
アイノミドリシジミはこのミズナラの森がちょっととぎれ、日差しが射し込んでくる左の写真のようなところにやってきます。

この場所に集まるのはすべて♂。羽の表は金属色に輝く緑色。
日の当たる木の枝の先や葉の先に羽を広げて自分の羽のキラキラ色が光るように自分を誇示し、それぞれの♂がなわばりをもちます。
アイノミドリの喧嘩
トンボやハエやもちろん他の♂など、よそ者がその範囲に入るとものすごい勢いで追いかけ、なわばりから排除しようとします。石を投げるとその石をも追いかける勢いです。
他の♂がやってくると追いかけた♂と追いかけられた♂とで喧嘩状態になり、右3枚の写真のように、二匹がぐるぐると絡み合い、しばらくの間森の中は視覚的には騒然としているように見えます。

アイノミドリシジミの♂の羽は見る角度によって、全く光らなかったり、青く見えたり、緑色に見えたりさまざまな色に見えます。

撮影した中から、いくつかのパターンをご紹介します。