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8/24 1999 切込刈込湖



8月21日、切込刈込方面を歩いてきました。
寝坊して出足がおくれましたが、10時半頃に湯元に到着し車を駐車して歩き始めました。天候は晴時々曇りといった感じで気温は上り坂では汗ばむ感じのまずまずのものでした。
久しぶりにこのコースを歩いたので、紀行文風にご紹介します。

なお、文中、携帯○とあるのはNTTdocomoの携帯電話が通話可能だった区間、携帯×は圏外となってしまい通話できなかった区間です。


■切込刈込湖コース

歩いた日    1999年8月21日(土)
コースタイム  休憩なしで3時間

 湯元-0:40-小峠-0:30-刈込湖-0:45-涸沼-0:20-山王峠-0:45-光徳


湯元泉源

湯元〜小峠 (携帯○)

天候は晴、暑くもなく寒くもなく、まずまずのハイキング日和です。
湯元の無料駐車場に車をとめ、出発地点の泉源に向かいます。泉源では夏休み後半の週末ということもあり20人ほどの観光客が泉源からわき出る温泉を手でさわって「きゃー熱い」とか「温泉たまごができそうだ」などと歓声をあげています。
まわりには夏を惜しむかのようにノリウツギの白い花が咲き、泉源の湿地で生まれたと思われるオオシオカラトンボや、これから平野部に下がっていくはずのまだ赤くなりきらないアキアカネが飛び回っています。
ノリウツギ
泉源の奥、写真の右手から切込刈込への山道が始まり、少し歩くと背後に湯ノ湖が下の方に見えるようになり、階段上の急坂を登りきるとまもなく国道120号、金精峠への車道を横断します。横断したところの国道沿いには、車20台ほどが停まれる空き地があり、どうやら切込刈込に行くハイカーが車を停めているようです。
国道を横断するとうっそうとした森の中の山道となります。ここから小峠までは急な坂も少なくゆっくりと自然観察ができるコースです。
ちょうどこの辺りから日光では標高1600mほどから生育するコメツガやシラビソなどの常緑針葉樹が増えてきて、その他にも天然のカラマツやヒロハカツラやサワグルミ、ダケカンバ、ヤハズハンノキ、ネズコなど多様な樹木が見られます。時期のせいもあり、花はキオンとゴマナしか目につきません。
ネズコ
森の中の道をしばらくいくと、急に明るくなり小峠に到着です。


小峠〜刈込湖 (携帯×)

小峠には小休止ができる広場があり、ベンチも設置されています。
小峠 アサギマダラという蝶がフワフワと舞いながら森の中に消えていきます。花はさきほどと同じく、キオンシロヨメナヤマウドそれにソバナが咲いていました。
小峠からいよいよ本格的な針葉樹林の中の山道となります。急な坂を登るとすぐに林道のような広くてなだらかな道となり、林道沿いには、枝をこするとサリチル酸メチルの清涼な香りがするネコシデが多く見られます。
林道の途中で左手の針葉樹林の中に入り急な下り坂となります。階段なども整備され歩きやすい道ですが、逆に刈込湖から登るときはきつそうです。
この一帯ではシラビソが純林をつくり薄暗く、苔むした地面など、典型的な亜高山帯の針葉樹林が見られます。
シラビソの森
この森をしばらく下ると今までの薄暗いところから木の間から明るい刈込湖が見えてきます。


刈込湖・切込湖〜涸沼【かれぬま】 (携帯×)

登山道から20mくらい下りると刈込湖の湖畔です。今年の夏の大雨で刈込湖は水を満々とたたえています。
刈込湖は周囲を森に囲まれた静かな湖で、例年ならば湖畔の砂浜が広がっているのでそこで昼食をとったりできるのですが、今日は水位が高く、オオバヤナギやオノエヤナギなどの木々が水没し、湖畔に下りても休憩スペースがほとんどなく、ちょっと残念です。
刈込湖
刈込湖からは湖畔のちょっと上のなだらかなルートが続き、まもなく両方の湖をつないでいる細い水路のようなところが見えてきます。いつもならばその水路は浅く魚影が見えたりしますが、今日は水位が高く湖の一部になっています。
ナナカマドの新芽
そこから切込湖がつながり、登山道は針葉樹林をぬけダケカンバやシウリザクラ、ヒロハカツラ、ハウチワカエデなどの明るい林に続いています。林床にはカニコウモリが花を咲かせ、ズダヤクシュの実もついています。また森の中の倒木の上には苔がびっしりと生え、そこに針葉樹広葉樹の新芽が生えています。
しばらく歩くと森の木々がまばらになり、涸沼が見えてきます


涸沼〜山王峠 (携帯○)

涸沼
涸沼はすり鉢状の地形の草原で、かつて花の宝庫でした。しかし、ここでもニホンジカによる食害の影響らしく、いたるところにシカの足跡があり、ササニッコウアザミもシカの食害にあったらしく矮小化しています。
それでもエゾリンドウが咲き始め、ソバナやオトギリソウの花が少し見られました。花で一番目立つのがマルバダケブキで、他にはキオンが多く、シカの食べない植物だけが花を咲かせています。
エゾリンドウ
気持ちの良い道を歩くと、高台に休憩するベンチやスペースがあり、昼食にはうってつけです。
遅い昼食をとっていると雨が降ってきました。急いで山王峠に向かいます。
涸沼から山王峠への道は急な上り坂が続き、湯元からのルート中、最もけわしい道です。しばらく登ると光徳から栗山村へとつながる山王林道が見えて、すぐに山王峠です。


山王峠〜光徳牧場 (携帯○)

山王峠はシラビソなどがポツン、ポツンと生える比較的明るい場所で、ここから光徳までは下り坂となります。
登山道を下っていくと山王峠あたりの針葉樹林から徐々にミズナラやダケカンバなどの広葉樹が出てきて、標高が下がってきたのを実感させます。
ミズナラ林
そして、光徳近くなるとミズナラの森のコースとなります。ミズナラ林には他にもシラカンバ、ハリギリ、ハウチワカエデ、キハダなどが見られます。
遠くに人の声が聞こえ、キャンプ場のテントが見えてくると光徳牧場はすぐです。


光徳牧場〜光徳入口〜湯元 (携帯○)

光徳牧場はいつもの夏のように多くの観光客で賑わっていました。
光徳牧場から湯元あるいは中禅寺湖方面にバスが出ているので、後はそのバスで車の置いてある湯元に戻るだけです。
今日はバスの時間まで1時間以上あったので、光徳入口(国道120号沿い)まで歩きました。バスの時間が迫っていたので早歩きで約25分かかりました。

光徳〜湯元間バス時刻表