11/16 1998 オオカミシンポジウムのお知らせ


ニホンジカの食害が直接的な原因になっていると考えてられている奥日光の生態系の危機を解決させるため、かつて日光にもいたニホンオオカミの近似種を奥日光に放ちシカを減らそうという提案をしている、日本オオカミ協会のシンポジウムのお知らせです。
明治時代まで生息していたとはいえ、100年近くもオオカミ不在の生態系を保ってきた日本(日光)の自然の中に、いきなり外来のオオカミを放つことによる生態系へのさまざまな問題(直接的な生態系への影響のほか、遺伝子レベルの問題なども)が予想されます。
Kokekokkoとしては、「オオカミを放つ」というセンセーショナルな提案をきっかけにして、確実に荒廃しつつある奥日光の生態系の現状を、まず、できるだけ多くの人に知ってもらえるのではないか、ということを期待し、シンポジウム開催をご紹介したいと思います。
11月21日、日光市内で開催されます。以下はチラシの内容です。

シンポジュウム開催についてのお知らせ

 ご承知のとおり、日光国立公園及びその周辺地域でのシカとサルの生息数増大のため、自然の植物生態や住民の生活に至るまで鹿害猿害は深刻な事態です。
 これまでも栃木県林務部では「鹿と猿の保護管理対策」として数年来いろいろな対策を試みてきましたが、未だキメ手を策定するには至っていません。
 日光広域住民の生活を思い、自然を愛する人たちが各々の立場で住民生活と自然維持の良策はないものか、が暗中模索されているところです。
 模索をつづける人たちのごく一部の考え方として、かつては日本に生息して、すでに絶滅してしまったニホンオオカミに一番近い種類のオオカミの復活を試みては・・・・・との声があります。肉食獣のオオカミが鹿、猿を食餌とすることで個体数を減らす効果があるという意見のようです。
 が、オオカミは肉食の猛獣であり、良策か否かは各方面に亘って十分な検討が必要なことは当然のことです。
 このたび、日光の自然を守る会では日本オオカミ協会の呼びかけに応じて、共催でシンポジュウムを計画しました。できるだけ多くの方々に参加をお願いして幅広く意見を言うため、聞くためのたたき台のスタートになればと思います。どうぞご参加お願いします。

    日光の自然を守る会  代表 猪瀬建造
      日光市本町1573-2 久保田秀夫方


シンポ:日光の森を守る −鹿害・猿害とオオカミ−

       日光の自然を守る会・日本オオカミ協会 共催

日時:11月21日(土)
   受付開始12:30  開会13:00  閉会17:00

会場:日光市総合会館(東照宮前 tel 0288-54-1631)
 駐車場なし、隣接して県営駐車場あり(ただし、当日混雑のため確保に時間がかかるので注意のこと)。離れているが東照宮の駐車場の利用も可。

参加費:500円



基調報告:


●開会あいさつ(猪瀬建造、日光の自然を守る会代表)
●日光の森林の保護と鹿害・猿害の実態、生態系でのオオカミの役割(小金沢正昭、宇都宮大学助教授)
●イエローストーン国立公園でのオオカミ復活事業と地域振興(マーク・ジョンソン、Wildlife Veterinary Resources)
●ニホンオオカミのルーツ(中村一恵、神奈川県立生命の星・地球博物館)
●オオカミの復活にむけて(丸山直樹、日本オオカミ協会会長)


エクスカーション(視察)

日時:11月22日(日)
 ○集合・出発 10:00赤沼駐車場(奥日光戦場ヶ原)
 ○解散    15:00赤沼駐車場
  コース:赤沼→戦場ヶ原→泉門池→小田代原→赤沼(全コース平坦)
 ○準備するもの:雨具、防寒具(時によっては小雪)、弁当



【お問い合わせ・お申し込み】

  日光の自然を守る会事務局
  〒321-1434 栃木県日光市本町1573-2 久保田秀夫方
  tel 0288-53-1944

  日本オオカミ協会
  〒359-1145 埼玉県所沢市山口5347 52-1-403
  tel/fax 0429-28-4906