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4/26 1998 ウグイスのホーホケキョ


Kokekokkoのまわりはウグイスの繁殖地です。例のホーホケキョはこの時期から7月頃までずっと聞こえているので、こちらでは春の鳥という印象より、夏の鳥という印象があります。
さて、ウグイスのホーホケキョをいつも聞いていて、不思議に思っていたことがありました。それはホーホケキョの「ホー」の声が鳴くたびに高くなったり低くなったりしているのです。そこで、いくつかの個体のホーホケキョを録音してみてその「ホー」の声を分析してみました。


まず、先日録音したホーホケキョの声を聞いてください。ホーホケキョの後に少し間をおいて、またホーホケキョと鳴き、それが連続するのですが、この個体が鳴いた5回のホーホケキョの部分だけを抽出してリアルオーディオにしてあります。

ホーホケキョ(42KB / mono / 8.5sec.)


連続して聞くと「ホー」の声が変わっていることがわかるかと思います。図1は今の鳴き声の声紋を表したものです。
図1のA,B,C,D,Eの部分が「ホー」と鳴いているところなのですが、それぞれの周波数を見てわかるように、Aの1,300Hzで始まり、最も高いのはCで約2,000Hz、最も低いのは次のDで約1,000Hzと、約1オクターブの差があります。

図1のA〜Eの「ホー」の部分だけを抽出すると次のようになります。

ホーホケキョの「ホー」(29KB / mono / 5.8sec.)


このように、「ホー」は何かの音階になっているように聞こえますが、AからDの「ホー」を重ねると次のような和音が聞こえます。


「ホー」の和音(7KB / mono / 1.2sec.)


この和音はE-minorの和音でした。
「ホー」の音程や順番に規則性があるかはわかりませんが、少なくとも続けて同じ高さでは「ホー」と鳴かないようです。
次に、別な個体の「ホー」も聞いてみてください。


ホーホケキョの「ホー」 vol.2(74KB / mono / 14.9sec.)


ウグイスには、「谷渡り」と呼ばれている鳴き方がありますが、この個体はその谷渡りと次の谷渡りとの間の3分14秒の間に16回もホーホケキョと続けて鳴きました。
その「ホー」を続けて聞くと、歌っているような、不思議な旋律が聞こえたかと思います。図2はその鳴き声の声紋です。



音声とともに図2を見ると、毎回異なった音程で「ホー」と鳴いていることがわかるかと思います。



まだまだ、「ホー」音階の不思議はわからないことが多いのですが、規則性の解明には、もう少し鳴き声のデータを集め、分析する時間が必要です。どなたか、ウグイスの「ホー」について見識をお持ちの方、ご助言をお願いします。

以上、Kokekokkoのたわごとにおつきあいいただき、ありがとうございました。