11/10 1997 シカ♂の戦い


秋の繁殖のピークをやや過ぎたものの、ニホンジカの「さえずり」が相変わらず聞こえます。
今日の朝「カチャ、カチャ」という耳慣れない音がしたので、まゆみちゃんと外を見ると向かい側の山の中で雄ジカが2頭、角をつき合わせて戦って(いるように見える)います。角が4段の雄と3段の雄です。

  繁殖期には、テリトリーや雌をめぐって雄の争いがあるとは聞いていましたが、見たのは初めてです。気づかれないようにそっと外にでて30mくらいの距離から写真をとりました。ちょっと不鮮明ですが、赤の矢印が戦い合う2頭のシカです。

「カチャ」と音を立てながらぶつかり合うと、お互いちょっと離れて、また勢いをつけて「カチャ」とならします。
そんなに真剣に戦っているようには見えなくて、右の4段が左の3段に「しょうがねえなあ、オレのテリトリーに入ってきやがって。でもしめしがつかないからちょっとおどかしてやるか」という感じか、もしくは4段の親ジカがおとなになりきらない3段の子ジカに「よそ者がきたらこうやって戦うのだゾ」と諭しているようにも見えます。

朝の静寂の中で「カチャ」「・・・・」「カチャ」だけが妙にリアルに聞こえてきます。きっと日光の秋の山の風物詩なのでしょう。
デジカメの小さな「ピッ」というシャッター音と同時に2頭は山の中に飛び跳ねながら消えていきました。