震災の余震がまだまだ続いています。日光では大きな被害は出ませんでしたが、被災地の方々のご苦労は想像を絶するものがあります。一刻も早い復旧をお祈りいたします。
さて、4月3日に久しぶりに裏山を一回り歩いてきました。天気は快晴、スギ花粉真っ盛りで持ち歩いていた双眼鏡やカメラに花粉が付着しているのが肉眼でもわかるくらいです。でもようやく春の兆しが見えてきて、ヤマネコヤナギの銀色の綿毛が光り、ダンコウバイの黄金色の花が咲き始めています。まさに早春です。
そして、標高1000mほどの見晴らしの良いお気に入りの場所に着いてゆっくりとランチ。食事中、ノスリの声が聞こえてきます。空を見上げると4羽のノスリが円を描くようにトビよりやさしい声で鳴き合いながらゆったりと飛んでいます。ここにいるといつもノスリに出会うことができます。
4羽のノスリは少しずつ移動し声が遠ざかっていき、しばらく静寂が続きます。また定位置に座り、やわらかい陽射しを体に受けながらボーッとして春を満喫していました。10分くらいしてまたノスリの声が聞こえてきます。双眼鏡で観察しながらノスリの舞に見とれていたら、ノスリが急に騒がしくなってきました。あれっ?と思い双眼鏡から目を離すと、視界に巨大な鷹が飛び込んできました。クマタカです。ノスリが飛んでいるところに北から南へとクマタカが侵入してきたような気配でした。
そして、ひときわ騒がしくなったノスリがクマタカに何度もアタックしてきます。ちょうど去年の今頃、同じ場所でやはりノスリとクマタカのバトルを見学することができました。でも今回はかなりの至近距離です。20mくらいでしょうか。クマタカはノスリの連続アタックにたじたじ(のように見えます)。
カメラの最望遠側(35ミリ換算でf=750mm)で連射していたら後半はフレームからはみ出してしまうくらい近距離の出会いでした。その間、わずか14秒間ですがその連続写真をご紹介します。右の写真をクリックすると写真が拡大されます。写真の番号で解説を。
1〜3 12時29分14秒
クマタカが何かに怯えるように、飛びながら後ろを振り返っています。このとき、既にノスリがクマタカめがけて近づいているものと思われます。でもやはりクマタカ、尾羽も開き急停止したときの姿は見事です。左は3の拡大写真です。
4
ノスリの攻撃に備え、体を反転させ、鋭い爪をノスリに向けようとしています。
5
そして、ノスリの最初のアタック! クマタカの鋭い爪は恐ろしいほどですが、機敏なノスリの早さにはクマタカの爪もタイミングをずらしてしまったようです。でも接触はありませんでした。左は6の拡大写真です。足の爪の鋭さが分かるかと思います。
7〜10
ノスリのアタックを受けたクマタカは体勢を整え、次の攻撃に備えるためか、旋回します。
11〜13
そして、二度目のノスリのアタック! ノスリの人相(鳥相)が悪く見えます。クマタカが旋回しているうちにノスリはあっという間に二度目の攻撃態勢を整え、その早さは見事です。
14〜19 12時29分28秒
ノスリは2回の攻撃でとりあえずクマタカを追い出すことに成功したようです。クマタカは向かう方向を西にとり、何事もなかったかのように再び森の王者に戻り、悠然と飛び去っていきました。下の写真は19の拡大写真です。