9/13 1997 キジのピーが帰ってきた


長い話になります。
2年前の5月下旬、かっちゃんとまゆみちゃんがキジのヒナをつれてきました。近くの側溝に落ち、取り残されたらし く「ピーピー」と鳴いていたそうです。本来、そっとしておくべきなのかもしれませんが、親鳥も見つからず、カラスやキツネにねらわれるのは時間の問題だったのでウチで飼うことにしました。
その後、順調に成長し自立できそうな程に育ったので、二人は「ピーちゃん」と名付け、7月頃隣の山に放しました。雌のキジでした。
夏になり秋が過ぎた頃、放したピーちゃんが戻ってきました。ボーイフレンドをしたがえて。そして、エサのない冬になると二日に一回ぐらいの頻度でウチにやってきて「ピー、ピー」と食べ物を催促します。手にエサをのせて「ピー、おいで」と言うと遠くからタタタタタと駈けてきて手からエサをたべます。ボーイフレンドは遠巻きにそれを見ていて、人がいなくなるのを見計らい、ピーちゃんを押しのけてエサを食べています。あまり人間に依存しても困るので来たときは一つかみだけのエサを与えています。
春になり木の芽がふいてくるとキジも繁殖の季節です。ボーイフレンドの羽は金属色に美しく輝いて「ケンケンバタバタ」と鳴き声も良く聞くことができます。そして、ピーちゃんのやってくる回数も少しずつ減り、5月には全く来なくなりました。「山に帰ったのかな」などとちょっとさびしいものですが、娘を嫁にやるようなつもりでみんなでがまんしていました。
ところが、8月頃、突然のピーちゃんの来訪です。今度はヒナをつれて来ました。ピーちゃんも卵を生みヒナを育てたのです。そのうちキジのパパもつれてきて、以前と同じようにピーちゃんはエサを食べに来るようになりました。今度は3羽で。
そして今年(1997)の春、ピーちゃんはまた旅に出ました。でも今年は8月になってもいっこうに戻ってきません。「きっと山でキツネに襲われたのかな」などと心配していたら、9月6日、帰ってきました。元気そうです。早速、手にエサをのせると写真のように元気良く食べています。でも今年はヒナを連れてこなかったので、ヒナは育たなかったのかもしれません。
基本的には自然に育っているキジです。いつ、だれに襲われるかわかりません。いつまで、このサイクルが続くかはわかりません。ピーちゃんが自然の循環の中で育っていることを、かっちゃんもまゆみちゃんもなんとなくわかってきたようです。