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7/14 2002  小田代原の花と蝶 vol.2



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 6月下旬に引き続き、昨日2週間ぶりに小田代原に行きました。台風6号が通過した後の小田代原は予想どおり台風一過恒例の「小田代原湖」がまわりの山並みを美しく映しています。
 すっかり夏の装いとなり、コエゾゼミの声が夏をいっそう引き立ててくれます。2週間前は少なかったアキアカネは原全体にたくさん飛び回っています。アヤメに代わり、ノハナショウブが見事な群落をつくっていました。
 いつものように赤沼から自転車でのルートです。天候にもめぐまれ、夏の高原の花や蝶をたっぷり(ちょっと時間切れ)と楽しんできました。
■観察できた蝶
ヒョウモンチョウ、ミドリヒョウモン、ウラギンヒョウモン、オオウラギンスジヒョウモン、ヒメキマダラセセリ、コチャバネセセリ、ヒカゲチョウ、クロヒカゲ、ヤマキマダラヒカゲ、モンキチョウ、オナガアゲハ、ヒオドシチョウ、フタスジチョウ
■観察できた花
ハクサンフウロ、イヌゴマ、ノリウツギ、ミヤマウグイスカグラ(実)、アヤメ(終わりかけ)、ノハナショウブ(最盛期)、カラマツソウ、テガタチドリ、ニガナ、ホザキシモツケイブキトラノオ、ヤマオダマキ、ニッコウアザミノアザミ、ミヤマイボタ、クルマユリ、ツリガネニンジン、ニッコウキスゲ(人為植栽)、キツリフネ、クルマユリ、サワギク
■鳥
キビタキ(声)、コガラ、トビ、ノスリ、カッコウ(声)
■その他
コエゾゼミ(声)、アキアカネ



7月13日の小田代原
 

ヒカゲチョウ

赤沼から小田代原に向かう途中のミズナラ林では2週間まえあんなにたくさんいたヤマキマダラヒカゲに代わり、ヒカゲチョウがたくさん飛び回っています。動物の糞にたくさん集まっていました。クロヒカゲも少しみられました。

 

ミヤマウグイスカグラ

赤沼から小田代原にむかう途中のミズナラ林内でみられました。
透明感のある赤い美しい実はまるでルビーのようです。甘い実を求めてアリがたくさん集まっていました。
森の中にはあちらこちらで宝石が見つかります。
 

アキアカネ

原のいたるところで多くのアキアカネを見かけます。彼らはこの暑い夏を奥日光で乗り切り、秋になると関東平野に戻ります。

 

ホザキシモツケ

小田代原の周辺部にはホザキシモツケの大群落があります。2週間前は堅いつぼみでしたが、早い場所では花が咲き始め、ピンク色のじゅうたんになりつつあるところもあります。でも全体的にはまだ咲き始めです。
この咲き始めの時期が一番瑞々しく色も鮮やかな気がします。1週間後、きっとみごとな群落が見られることでしょう。
 

ヒョウモンチョウ

幼虫がワレモコウを食べるヒョウモンチョウは高原の代表的な蝶です。全国的に草原植生が激減している影響を真っ先に受ける種類の蝶で、環境庁のレッドデータブックの準絶滅危惧種にもなっています。
 
一時期小田代原でもシカの食害による影響と思われますが、とても少なくなり、コヒョウモンモドキと同じように絶滅か、と心配されましたが、防護柵による植生復活とともに以前のように多くのヒョウモンチョウが見られるようになったのは、とてもうれしいことです。

 

イヌゴマ


 

イブキトラノオ

小田代原全体で見られました。ちょうど花の最盛期です。
この花にはコチャバネセセリなど多くの昆虫が集まっています。
 

ニッコウアザミ


 

ノアザミ

かつて原の西側に大群落が見られましたが、「小田代原湖」ができるようになってから、あの大群落を見ていません。でもまわりにはたくさん花をつけたノアザミがあるので、いずれ環境がもどれば大群落を見られるかもしれません。
この花にもたくさんの虫たちが集まります。
 

ノハナショウブ

小田代原に到着するとまず目に入ってくるのがノハナショウブの群落。原のあちらこちらで群落をつくりちょうど今が見頃です。
 
2週間前はアヤメの群落が見られましたが、今はアヤメはほとんど咲き終わり、代わりにノハナショウブの赤紫色がかつてのノアザミ群落を思わせるほどたくさん咲いていました。
 

オナガアゲハ


 

テガタチドリ


 

ウラギンヒョウモン

夏の高原はヒョウモンチョウ類の天下です。その代表的な蝶がこのウラギンヒョウモン。全国各地で見られます。
今回は見られませんでしたが、ギンボシヒョウモンもその一種で、奥日光などより標高の高いとこで見られます。