久しぶりのNewsです。
遅れていた日光にもようやく春の兆しが見えてきました。
3月18日、瀧尾神社や世界遺産に登録された二社一寺(東照宮・輪王寺・二荒山神社)のまわりを歩きました。この一帯は山内(さんない)と呼ばれます。
雨が上がったばかりの朝は曇りでしたが、お昼近くになると快晴になり、春らしい暖かい日中でした。
直径1mを超えるスギの老木が荘厳な雰囲気を醸しだし、石畳の道には木漏れ日が差し込みます。瀧尾神社の近くで良く聞こえたミソサザイのさえずりは日光の早春を感じさせます。またシジュウカラも春のさえずりを始めています。
ミソサザイのさえずり(1998/5/29)
シジュウカラとお寺の鐘(2001/3/20
梅のつぼみはまだ固いものの、暖かい陽気にさそわれたように陽だまりには寒い冬を越したキタテハが飛びときどき羽を休めていました。
川沿いには白い暖かそうな綿毛をつけたヤマネコヤナギのつぼみがふくらみ、もうすぐ花を咲かせようとしています。
鬱蒼としたスギの森の脇を沢が流れています。その沢の方から鳥の声にも似たきれいな音色が聞こえてきました。
双眼鏡でのぞくと、沢にある堰堤のところにいたのは、たくさんのカエルでした。ちょうど春の産卵時期で、数十匹のカエルがうごめいています。きれいな声で鳴くカエル、のんびりひなたぼっこするカエルや雌に雄が抱きついているペア(写真右)もたくさん見られました。両生類にも詳しい岡ちゃんに聞くと「ヤマアカガエル」だそうです。
そして、その沢まで静かに下りたとたん、それまで賑やかに騒いでいたカエルたちは一斉に水の中に隠れてしまいました。そのまま静かにみていると少しずつ水面に顔を出してきます。
水の中には透明に光る卵が水にたくさん浮かんでいました。卵を守る透明なバリアは、醤油と酢と辛子があればそのまま食べられそうなくらいきれいに透き通っています。
そしてこの沢ではクリンソウの新芽がまばゆい黄緑色に輝いていました。クリンソウが咲く頃には、この水のたまりで足の生えたオタマジャクシが見られることでしょう。
観光客で賑わいを見せ始めた東照宮の近くの池では、植えられたミズバショウが新芽を出してきました。白い花を咲かせるまでにはあと10日くらいでしょうか。
日光の春は着々と進んでいます。今月末頃になるとさまざまな花が見られる季節になります。
山内の森は大昔に植えられた杉が巨木になり、今ではすっかり日光の自然の一部になっています。そしてその巨木の下にはたくさんの動植物が育まれています。これから山内も花の季節を迎えます。