5/22 2000 奥日光の春
久しぶりの奥日光です。
5月21日、中禅寺湖をボートで一回りする機会がありました。湖畔の春を写真を中心にご紹介します。
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イロハ坂
日光市内は小雨。イロハ坂途中はご覧のように新緑の真っ盛り。5〜6カーブの左側にあるシロヤシオは満開の様子です。イロハ坂上部は霧がかかっていて、アカヤシオ群落の写真を紹介することができません。
中禅寺湖畔のサクラ
中禅寺湖畔に登ると、霧は晴れ、千手ヶ浜の方向には青空すら見えています。
湖畔の園地は現在工事が進められています。これまで放置されたボートや雑然とした湖畔景観を改善しようと、栃木県が再整備しています。
湖畔には昔からオオヤマザクラが植えられていましたが、ちょうど今満開です(写真左)。ご覧のように大柄のピンク色の花をつけるオオヤマザクラはアカヤシオとともに奥日光の春を彩る代表的な花です。中禅寺の繁華街はもちろん、湖の北岸で多く見られます。
繁華街から奥日光に向かう途中の中禅寺金谷ホテルの近くにも見事なオオヤマザクラが咲き誇っています(写真右)。
中禅寺金谷ホテル近くのミズナラはご覧のようにやっと芽吹いたばかりです。新緑にはまだまだ時間がかかりそうです。また庭に植えられたアズマシャクナゲは蕾をたくさんつけ、今にも咲きそうな気配です(写真左)。同じく植えられたトウゴクミツバツツジも咲き始めでした。中禅寺湖南岸には自生しているアズマシャクナゲが多いのですが、たぶんここと同じような状況かと思います。
散りはじめたサクラやこれから咲くサクラもあるので、あと1週間くらいは楽しめそうです。
菖蒲ヶ浜→千手ヶ浜→阿世潟→狸窪
いよいよ、湖上からの観察です。
菖蒲ヶ浜から千手ヶ浜は中禅寺湖の北岸になります。ところどころにオオヤマザクラのピンク色、そして、途中の赤岩あたりにはオオヤマザクラよりさらに鮮やかなピンク色のアカヤシオが岩にへばりつくようにたくさん咲いています(写真左)。こちらは満開をちょっと過ぎた感じで、散り始めたアカヤシオもありました(写真右)。
千手ヶ浜は、木々が芽吹きはじめ、オオヤマザクラの花や、ヤナギ類の黄緑色の新芽、また赤い新芽はシウリザクラでしょうか、それともカツラかもしれません(写真左)。
千手ヶ浜から阿世潟にかけては湖の南岸になります。この一帯はブナ・イヌブナが豊富で、ご覧のように黄緑色の新芽を輝かせていました(写真左)。ほとんどがイヌブナのようで、ブナの芽吹きはちょっと遅れます。また中禅寺金谷ホテルの庭に咲きそうだったアズマシャクナゲは詳しくは見られませんでしたが、あちこちに真っ赤な蕾をつけ、あと1週間くらいするときれいな花が見られそうな雰囲気です。
阿世潟から狸窪の途中にある八丁出島は紅葉がとても美しいところですが、ここのアカヤシオも見事でした。写真は撮れませんでしたが、湖畔ぎりぎりのところに咲くアカヤシオは色がとても濃く、針葉樹の深い緑ととてもきれいなコントラストを見せていました。
竜頭滝
竜頭滝から赤沼にかけては地形の関係上、冷気が流れてくるらしく、植物の芽吹きが遅くて紅葉が早いという特殊な場所です。標高がより高い戦場ヶ原の方が芽吹きが早かったりするのが不思議です。
竜頭滝のトウゴクミツバツツジはあまりにも有名ですが、今年は全体的にちょっと遅れ気味なので、トウゴクミツバも例年より1週間ほど遅れるかもしれません。ご覧のとおり、まだまだ花の季節には時間がかかる気配で、カラマツの新芽がやっと出てきたばかりです。トウゴクミツバツツジの咲き始めは5月下旬頃じゃないか、とこけこっこはふんでいます。
三本松
戦場ヶ原の真ん中にある三本松では、遠足の小学生で賑わっていました。
あたりは緑にはまだまだという感じ。カラマツとホザキシモツケの新芽が出始めというところです。
カラマツは新芽を包んでいた茶色の鱗片と新芽そのものの緑色で、遠くから見ると、とても渋いダークグリーンの海のように見えます。写真左が三本松のカラマツの林の色、写真右がその拡大。
ホザキシモツケは去年咲いた花が実になった枯れ枝がついていましたが、その下には緑色のみずみずしい新芽が顔をだしています。(写真左右)
今年は全体的に春が遅れています。中禅寺湖畔のサクラも例年より1週間遅れて咲き、アカヤシオも同じです。これから咲き始めるトウゴクミツバツツジなどさまざまな開花に影響を及ぼしそうですが、これも自然のゆらぎの一つと考えれば、なんとなく納得できます。
例年戦場ヶ原や湯元より遅くなり6月上旬頃芽吹く竜頭滝上のミズナラ林がいつ頃芽吹くか、楽しみです。
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