戦場ヶ原の成因


戦場ヶ原はどのようにしてできたのでしょうか。

火山に囲まれた奥日光は火山活動によりその環境が大きく変わったところがたくさんあります。戦場ヶ原もその代表的な場所で、とくに男体山(なんたいさん)の火山活動が戦場ヶ原や中禅寺湖の直接的な成因とされています。

男体山の火山活動により創られてきた戦場ヶ原と中禅寺湖のでき方について時間順に解説をした、ひとつの考え方を下にご紹介します。





日光戦場ヶ原付近の地形発達概念図

【出典:中村洋一(1997) 戦場ヶ原湿原と竜頭滝 奥日光自然ハンドブック】

日光火山群で、女峰・赤薙火山の活動が始まった。古大谷川水系は現在より北側を流れていた。
男体火山の噴火によって古大谷川水系がせき止められ、中禅寺湖と古戦場ヶ原湖が形成された。
古戦場ヶ原湖が次第に乾燥し、古戦場ヶ原湿原となった。
男体火山の末期活動で軽石流が噴出した。竜頭滝軽石流は古戦場ヶ原湿原を埋め尽くし、荒沢軽石流は男体火山の南東麓から大谷川に達した。
軽石流の堆積後、戦場ヶ原湖沼群が形成された。
湖沼群は土砂の流入などにより、現在のような湿原となった。